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帝国の興亡〈下〉―ロシア帝国とそのライバル
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 195257 位
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全部通して読むべきだが、どちらかと言えばこっちを読んだほうがよい
下巻はいよいよ著者の本職である帝政ロシア史とソ連史に突入する。
また、「帝国以後」として、上巻の3帝国とソ連帝国以後の状況について比較検討している。
ロシア史の叙述を通して得られる知見の一つは、グローバルなパワー・ポリティクスという観
点から見て、ロシアが決定的に弱かったことであろう。著者は上巻でもこの点を強調していた。
ロシアは西洋的な観点から見ると、基本的に遅れていた。
また、西洋の周辺に位置するという地理的環境は、ロシアの膨張にとっては極めて有利に働い
たが、それは同時に西洋に対するコンプレックスをロシアが常に抱える要因にもなったのでは
ないか、という意見もあった。
逆に言えば、ロシアがパワーを増大させる手段には膨張しかなかったのであり、膨張が止まっ
た瞬間にロシア帝国の意義そのものが消滅してしまったのであろう。マグロが泳ぎ続けないと
死んでしまうのと同じ理屈かもしれない。
各帝国が帝国たる所以、それぞれが直面したジレンマとその解消策としてとった政策。こうし
たことを見ても、少なくとも本書で注目された5つの帝国から、なにがしかの一般論を引き出す
ことは困難である。むしろ、著者の目的は一般論を「引き出さない」ことにあったといえるだ
ろう。
個人的に私は「歴史の教訓」という言葉は好みではないが、本書(上下巻通して)は、安易に
歴史の教訓を引き出そうとする考えに警鐘を鳴らしているのかもしれない。
無論、様々な歴史の事例から似たものを取り上げ、現在を分析し未来をある程度予測すること
は可能かもしれない。だが、様々な状況がほとんどそっくりなことはありえず、極めて小さな
変数が大きな違いを生むこともありえる。歴史の教訓と言う場合、そのことを重々念頭に置く
必要があろう。
本書は比較を通してそのことを示したような気がする。勝手にそう読んだだけかもしれないが。
読書会で出た意見を拝借しました。感謝感謝
本編
安定した帝国は、属国でいることで経済的安定性が得られ、宿敵である隣国から防衛してもらえる。異民族であっても本国のエリートになれる(この点は大英帝国と異なる)。出世する上で明確な昇進基準があるということだろうか。ロシア・ソビエトもこの条件に合致する。 しかし、ロシア・ソビエトが主役であるにもかかわらず、大英帝国の異常さだけが目立っている気がする。このあたりをもう少し書いて欲しい。
ロシア・ソ連の帝国的性格を解き明かす
ここ数年来、国際関係論の世界ではアメリカの覇権の在り方に絡めていわゆる「帝国論」が大流行ですが、本書については、どちらかと言えば純粋に史学的な見地から、歴史上の諸「帝国」との比較においてロシア・ソ連の特質を解明し、併せて北ユーラシアの将来にも言及していくといった趣向になっています。 「帝国」とは何かにつき筆者は明確な定義を避けていますが、おそらく国民の枠組みを超えた、被統治者の同意に基づかない政治的結合の枠組みといったイメージで捉えているようです。そして、大英・オスマン・ハプスブルグ各帝国興亡史の概観を通じ、それぞれの何処が「帝国」的なのか、こうした枠組みを可能ならしめる要因や掘り崩す要因は何かを示していきます。その上で、ロシアやソ連の歴史を紐解き、「帝国」としての興隆や衰亡に関して考察を加えていきます。 本書には至るところで鋭い洞察が示されており、読んでいてハッとすることも頻りです。ただ、考察対象が空間的・時間的に極めて巨大であることもあってか、筆者が一番訴えたいテーマが何なのか、いったい何を論証して世に問いたいのか、一見しただけではハッキリとは分かりません。全体を通じての印象は、「超人的な学識を誇る歴史フリークが興に任せて書いた長大なエッセイ」といったところです。 いずれにせよ、こんな本を書ける人はめったにおらず、また読んでいて楽しい本でもあります。大部な本ですが、とにかく一読をお薦めします。
「ロシア」を考察した大著
「帝国」と銘打っていますが、本書の狙いは主に「ロシア」について、単に史上初の社会主義国家であったというイデオロギー的側面でなく、地政学的な観点からハプスブルグ、オスマン帝国等との歴史的関係も加えて考察することにあり、そこにこの本の存在価値がある。今後世界の覇権を争うであろう米中に直接触れているわけではないが、イスラム諸国等との関係も含めて考える上で、ここで提起されている歴史観を避けるわけにはいかないだろう。 ただ、あまりに分量が多くやや冗長、かつ細部に記載が多いこと、訳があまりこなれていないようで日本語として読みにくいことから減点しました。上下巻ありますが、下巻を読まないと著者の真意をより汲み取ることはできません。
日本経済新聞社
帝国の興亡〈上〉―グローバルにみたパワーと帝国 決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈上巻〉 戦争の世界史―技術と軍隊と社会 戦略の形成〈上〉―支配者、国家、戦争 反古典の政治経済学 下 二十一世紀への序説
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